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元祖は長崎県 カステラの美味しさを堪能しよう
▼カステラの歴史
カステラはポルトガルから伝わった南蛮菓子を元に、日本が独自にアレンジして発展させた和菓子です。洋菓子だと思われがちですが、実は和菓子なんですよ。
1571年、室町時代の終わり、世界は大航海時代でした。開港したばかりの長崎へと遥か遠く、公益を求めポルトガル人が上陸しました。
ポルトガルにはカステラという名前のお菓子は存在しておらず、当時のカステラはスペインに古くから栄えていたカスティラという王国のパンだと長崎に紹介され、原型となったこのカスティラという南蛮菓子はカステラと見た目・製法共に全く違うものでした。製法も見た目も違うものですが、その由来として名前を残したのです。
長崎は鎖国などにも関係せず、外国文化を積極的に取り入れ、日本中のあこがれの土地として栄えていきました。その頃には長崎の銘菓として独自の進化を遂げていたカステラは様々な場所で様々な人へと愛され、沢山の逸話が今でも残っています。
あの坂本龍馬もカステラをこよなく愛していたそうです。
▼カステラの元祖 松翁軒
カステラの元祖であるのは松翁軒という長崎のカステラ屋です。
江戸中期である1681年、長崎の本大工町に初代山口屋貞助がお店を構え、砂糖漬けやカステラを作り始めたことがきっかけになっています。その後歴代、菓子作り一筋300余年、1861年まで続き、飾菓子名人として知られるようになった七代目熊吉の時、国学者である中嶋広足により松翁軒の名前を受け、能面の扇を店印として、松翁軒が出来上がったのでした。
そのカステラの味は綿のようにやわらかく、風味はしっとりとし、口に含めばそれはそれはまろやかなもの。こうして現在も広く愛される松翁軒のカステラが誕生しました。
さらに時は明治の中頃、とても研究熱心であった八代目は当時日本でとても珍獣されていたチョコレートに心奪われ、先代から受け継いだカステラにチョコレートの味を加えてみた、松翁軒でカステラと並び愛されるチョコラーテというものも創りだされたのでした。
松翁軒の伝統の製法はほとんどが手作業で、そのため季節により仕入れた卵や、なんと調理道具までにも温度調整を行うなど、細やかで熟練の技術が必要な作り方をしています。
卵、上白糖、小麦粉、水飴、ザラメ、カステラに使う原料は昔からそのまま受け継ぎ、余分なものは一切加えてないのです。
この原料を全く崩さないのは、この原料で完成することによって生み出される極限のバランスこそが、元祖であるカステラの本当の美味しさであるためだからだと言います。
自分でカステラの味を楽しんでも良いですし、お土産としてカステラを買っていったら、本当に喜ばれるのではないでしょうか。
松翁軒ではカステラやチョコラーテの他にも、抹茶をあしらった抹茶カステラ、オランダチーズカステラというアレンジが効いたカステラも販売しています。
長崎に出稼ぎに来たら、本場のカステラを一度味わってみてくださいね。
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