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静岡市民に愛され続ける静岡おでん
◆大正時代から伝わる静岡おでんの歴史
静岡おでんは牛すじでとったダシを継ぎ足しながら毎日煮込んだ真っ黒の煮汁が特徴のご当地グルメです。
この静岡おでんの始まりは、大正時代に誕生した串に刺した豆腐の味噌焼きでした。
この串刺しの豆腐の姿が1本の竹馬で跳ねて踊る「田楽舞」に似ていることから、田楽→お田(おでん)になったとされています。
そして、このおでんは江戸の町で「屋台料理」として広がっていきます。
おでんの種も焼いた豆腐からこんにゃくや里芋が使われるようになり、これを煮込んだ「煮込み田楽」が江戸時代末期に登場します。
その後、煮込み田楽が関西に伝わると、従来の田楽と区別するため、「関東煮(かんとうだき)」と呼ばれるようになりました。
おでんは江戸の町では庶民の味の屋台料理として親しまれ、関西に伝えられた「関東煮」は料理人の手を経て次第に発達。
現在のおでんに近い「お座敷おでん」へと形態を変えていきました。
そして、関東大震災後、関西の料理人が東京へ進出したことをきっかけに関西形態のおでん屋が誕生し、以降急速に一般化していったとされています。
◆静岡おでんの種
静岡おでんの特有の種として、一番有名で人気の種は「黒はんぺん」です。
サバやイワシを骨ごとすり身にした「黒はんぺん」は、その名の通り黒くカルシウムが豊富でつみれのように歯ごたえのいい一品です。
地元の人はこの「黒はんぺん」をほぼ毎日食べるといい、おでんだけではなくフライなどにして食べているといいます。
また、ナルトも入っているのが特徴です。
ほかにも、具材が一本一本串にささっていることも静岡流で、牛すじや、卵、こんにゃく、ちくわ、さつま揚げ、ごぼう巻、玉子、こんぶ、大根、じゃがいもなどがあります。
この味のしみ込んだ種に青のりとだし粉をかけて食べるのが静岡おでんのおいしい食べ方です。
◆どこで食べられるの?
静岡おでんは、静岡県の中でも静岡市の中心部にあるJR静岡駅から徒歩5分に位置する「青葉横丁」と「青葉おでん街」というふたつのおでん街で味わうことができます。
元々は戦後、静岡市の中心部にある青葉公園通りに約200台ものおでんの屋台がありました。
しかし、昭和32年の都市開発のもと撤去されることになり、昭和43年にすべての屋台が撤去される際、一部のおでん屋台が青葉おでん街などに移転し、現在に至っています。
このおでん街には、伝統の味を守っている老舗店が立ち並んでいるので、静岡を訪れた際には一度足を運んでみてください。
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